会期:2022年11月21日(月)ー12月24日(土)
10:00-18:00(日曜、12月21、22日は休み)
会場:はしっこ
〒187-8505 東京都小平市小川町1-736
武蔵野美術大学(2号館2階 彫刻学科 冨井大裕研究室)
http://www.musabi.ac.jp/access/
企画:はしっこ
協力:GROOVY 54
フライヤーデザイン:川村格夫
イベント
レセプション(DJ:ウェルカムトゥイビサ)
12月10日(土)17:00-19:00
本展は、人のかたちと石膏についての実験である。登場するのは世代の異なる二人の彫刻家であり、人の姿と自身の表現を重ねることに共通点がある。二人の作品における人の姿は、モデルがいるにしても匿名であり、人は人でしかないという視点に貫かれている。それは、立っている物体であり、横たわる何かであり、地面に転がる塊の様でもある。記号=共有された姿と言ってよければ、二人の目指す人の姿は記号的な存在にまで行き着くのかもしれない。この様な取り組みから生まれる人のかたちをここでは像と呼んでおこう。
二人にはもう一つの共通点がある。それは、素材として粘土を用いることだ。粘土は動く素材である。ズルズルグニャグニャと動く素材から出現したかたちに、彫刻家は自身の視線の不確かな様を目撃し、驚く。驚いてからが制作の真骨頂である。二人にとって、粘土は視線の不確かさと人のかたちの揺れ動きを実感する為のツールと言ってよいだろう。また、粘土はそのままでは作品の状態を維持することの難しい素材でもある。それ故に、二人の作品のフィニィッシュマテリアルはブロンズ(鷹尾)やセラミック(根本)になる。最終的な作品の落とし所が、変形し難い、存在感の強い素材であることも、人のかたちは揺れ動くものだという彫刻家の自覚の証しかもしれない。
そんな二人に、今回は石膏による作品の出品を依頼した。二人にとっての石膏とは、普段は発表されることのない、残され、捨て置かれた存在である。鷹尾はブロンズの石膏原型に手を入れ、根本は型やゴミとなっていた石膏の屑の作品化を試みる。彫刻の実材コミュニティのはしっこに位置する石膏。その石膏の視点から、二人の彫刻家が人のかたちをリブートする。
文責:冨井大裕(はしっこ世話人)