10. 良知暁 「sites」

会期:2010 年7月5日(月)〜7月17 日(土) 日曜休廊 11:00〜19:00 ※10日(土)及び17日(土)のみ11:30〜17:30
主催:KABEGIWA
協力:ギャラリー現、TARO NASU、福居伸宏、小山登美夫ギャラリー
会場:ギャラリー現 104-0061 東京都中央区銀座 1-10-19 銀座一ビル3F
レセプション:5日(月)17:00-19:00
トークイベント「the photographic in, or as ,sites」:良知暁+冨井大裕+α 16日(金) 18:00-

これまでも良知は、作品としての写真作品についての問題意識ー被写体それ自体をどのように観るかと同時に、被写体が物質として定着された写真作品を取り巻く展示環境、それらの構造、その場所において日々営まれる鑑賞体験ーを重視し、その問題がそのまま作品として立ち現れるような 作品を制作してきました。壁とそこに展示された作品を「地」と「図」の関係と捉え、通常の鑑賞では人の意識が向けられることのない「地」の部分に焦点を当てた〈between〉シリーズ、作品と「額」の関係性に焦点をあてた〈frames〉のシリーズで、 良知は、普段は目の前から隠されている構造を露呈し、人々が視覚によって認識する空間意識 の再定義を試みています。
今回の展示では、実験的な試みとして、作品とそれを撮った写真「作品」の関係に注目し、良知自身の作品のみならず、他の作家の作品および記録写真をインスタレーションの構成要素として用いて、写真を見るという行為における恣意的な意味形成のフレームの意識化、複数のサイトを横断しながら見ることへの実践を試みます。
写真に写った「作品」を実際に体験することと、作品が写った写真「作品」を体験することの関係は、作品を空間に配置すること=フレーミングの問題を想起させます。作者は作品を実際の空間にどのように配置し、どのような体験を意図しているのか。その作品を被写体とする写真家は、その空間をどのように体験し、どのような構図におさめるのか。作品、写真作品の両方からニュートラルな立場にある観者は展示空間をどのように体験しているのか。この問題を良知は「選択と配置」という言葉で捉え、本展のタイトルを〈sites〉と名付けました。
何かを写さなければならない写真にとって、基本的かつ永遠の命題に肉薄する企画、展示となります。

良知 暁
1980年生まれ。 法政大学、the Arts Institute at Bournemouth卒。写真、インスタレーションを中心とした制作を行う。英国留学中にAOP Student Award 2005、freshfacedandwildeyed 2008を受賞。主な個展に「frames」(2009, TARO NASU, 東京)、「gravity」 (2007, neunplus, ベルリン)、主なグループ展に「freshfacedandwildeyed ’08」(2008, the photographers’ gallery, ロンド ン)など。その他、企画、執筆も行う。